Column 製造業コラム
生産管理の基本的なマスターデータ
マスターデータとは、業務を遂行するために企業内に設置されたデータベースなどの基礎情報のことを指します。商品や原材料に関わるもの、給与に関わるもの、顧客に関わるものなどさまざまな種類がありますが、マスター構築は生産管理を行う上で必要不可欠と言っても過言ではありません。事業を立ち上げるにあたり、最も重要な作業ということになります。
生産活動を行うにあたり最低限必要なマスターとして、次の4つを挙げることができます。
①:カスタマー(顧客)マスター
②:サプライヤー(支払先)マスター
③:アイテム(品目)マスター
④:ストラクチャー(部品表)マスター
です。
重要なマスターである品目マスターと部品表マスター
①の顧客マスターと②の支払先マスターは文字どおり販売先と購入先をそれぞれ指します。特に重要となってくるのが③の品目マスターと④の部品表マスターです。
③の品目マスターの主な入力項目としては、購入品、材料、完成品、仕掛品などが挙げられます。入力点数は企業の規模によって時に10万点を優に超える場合もあります。マスター整備はとても大変な作業ですが、これがしっかりとできていないと次のステップには進めません。
④の部品表マスター(Structure Bom)の入力作業では、③の品目マスターで登録したデータに加工を含めた生産工程の流れなどを付加していきます。購入した原材料や部材、仕掛品がどこでどのように流通しているかが、ツリー状で一目で分かるようにしていきます。
すると、生産との紐付けが明瞭となり、原価表との関連性もはっきりと見えてきます。こうして初めて生産現場を把握・管理することが可能となります。複数工場や海外工場がある場合、部品表の統一による生産の効率化が必要になることがあります。部品表は「生産管理の命」とも表現されています。
マスター構築の担当者は多忙
マスターの重要性は認識しているが、実際の作業が追い付かないと言ったケースは生産管理の現場ではよくあることです。
マスター入力の容易さや、テンプレートを元にした特殊品用マスターデータの自動展開など、自社の製造方式の特徴や受注方法、ロット管理方針などに合った、マスター入力業務が効率化できるシステムを選択することも生産管理を活用できるかどうかの大きなポイントとなります。
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