Column 製造業コラム
世界的なDX事例
製造業のDXを実現した事例では、ダンプの自動運転と移動ルートの最適化サービス、トラックの予知保全サービス、航空機エンジンの出力サービスが取り上げられています。
従来の「もの」の提供から最適な利用方法や高い品質や性能の維持サービスといった「コト」の提供へビジネスモデルのシフトが進んでいます。
リアルタイムで収集されたビックデータを瞬時に解析し、製品の品質や性能面の予測を行い、顧客へサービスを提供しています。
これらの事例の背景として、製造業を取り巻く環境は世界的に大きく変化し、依然として激化する価格競争があります。事例の製造業は競合他社との差別化による世界的なシェア獲得と収益性を確保するビジネスモデルの変革を目的にDXを進めています。
しかしながら、どの事例も世界的な大手製造業で、センサーを製品のあらゆる部分取り付けるため長期間の技術開発を行い、最先端かつスケールの大きいITの導入といった大規模な投資でDXを可能にしています。
DXは長期間の技術開発と大規模投資ができる大手製造業だけが可能なのでしょうか。
日本の中小製造業のDX事例
日本の中小製造業でとても興味深いDXの事例が報告されています。
ガス用圧力計製造企業による製品の遠隔監視とガスの残量情報の提供サービスです。
こちらの企業は産業用計測機器で長年実績を持っていましたが、競争の激化から、製品のIoT化による遠隔監視で競合他社との差別化を行っています。
更に現在は、産業用の計測技術とノウハウを活かし、医療分野へ新規参入しています。
製品のセンサーからリアルタイムで情報を収集し、ガスの残量情報を提供することで、医療機関が適切にガス交換を行うことを可能にするサービスです。
DXへのアプローチは先にご紹介した世界的な大手製造業と同様です。
しかしながら、世界的な大手製造業と大きく異なる点があります。
それは自社の製品や技術の強みに対象をフォーカスすることで、デジタル化に必要な製品の技術開発やIT導入の規模を最小限にしている点です。投資額の抑制にあわせ、製品の技術開発やIT導入の期間を短縮することで、早期に新サービスと新規市場のビジネスを実現しています。
この事例は中小・中堅製造業にとってヒントになるのではないでしょうか。
中小・中堅製造業のDXのコツは自社の製品や技術などの強みにフォーカスすることで投資額を抑え、短期間でビジネスモデルを構築し、小さな成功を積み重ねることと弊社は考えています。
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